小酒井不木探偵小説選 |
- 日時: 2005/11/15 22:46
- 名前: Ueda
- うかつにも最近になって知りました
 横井司の編で『小酒井不木探偵小説選』が刊行されています。
小酒井不木(こざかい・ふぼく)は医学者であり探偵小説家として知られています。この書は少年科学探偵シリーズ(子どもむけ探偵小説)を網羅したものです。
収録作品は「紅色ダイヤ」「暗夜の格闘」「髭の謎」「頭蓋骨の秘密」「白痴の知恵」「紫外線」「塵埃は語る」「玉振時計の秘密」「現場の写真」「自殺か他殺か」「深夜の電話」「墓地の殺人」「不思議な煙」で、ほかに資料として「空中殺人団(パウル・ローゼンハイン作、鶴毛寧夫訳)」「科学的研究と探偵小説」「『少年科学探偵』序」「『小酒井不木集』はしがき」が附されています。
小酒井の子どもむけの作品については、かつてわたしが論文「小酒井不木の児童文学」を書いたことがあって、論文はこのホームページの「研究ノート」のコーナーにも公開しています。 わたしの論文では、附録にある「空中殺人団」の存在自体についてはつきとめたものの、訳者=鶴毛寧夫(つるげねいふ→ツルゲネフ)については不詳だとしていたので、「よもや…」と期待しながら選集の解説を読んだような次第。しかし、残念ながら、解説にはわたしの論文が引用してあるばかりで、鶴毛寧夫については何も書かれていませんでした  それでも、子どもむけ探偵小説の資料集としては、面白い企画だろうと思います。
『小酒井不木探偵小説選』 論創ミステリ叢書 8 小酒井不木 著 論創社 2004年7月刊 390頁 2,625円(税込み)
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