珠数と数珠 |
- 日時: 2005/04/23 02:30
- 名前: Ueda
- いま制作中の『名作童謡 北原白秋童謡100選』のなかに「お坊さま」という童謡を入れることになっている。これは白秋の童謡集『子供の村』に収録。初出は1924(大13)年7月号の「赤い鳥」である。
このあいだ、編集者から問い合わせがあった。童謡のなかの「お珠数がひとかけ」という部分について、《珠数》という表記でよろしいか、というもの。ちなみに《珠数》は《じゅず》と読む。あわてて辞書を調べると、たしかに『広辞苑』でも『大辞林』でも《数珠》になっている  「これはまちがえたか」と思ったが、どうも《数珠》ではしっくりこない。 そういえば、京都の東本願寺のそばに《珠数屋町》という通りがあって、老舗の《珠数屋》が並んでいる。ひょっとすると、関東では《数珠》、関西では《珠数》と書くのではないだろうか? なによりも、岩波版の白秋全集でも初出の「赤い鳥」でも《珠数》になっている。だとすると、白秋は九州の人だから、九州あたりでは《珠数》と書くのだろうか? このあたり、どうもよくわからないが、『名作童謡 北原白秋童謡100選』では白秋の意志を尊重して《珠数》で通すことにするのが正しいだろう。 これだから、本文校訂は難しい 
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