『名作童謡ふしぎ物語』(創元社)

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メディアと童謡をめぐる《ふしぎ》を解き明かす
すべては学校・雑誌・レコード・映画・ラジオを通じて拡まった!


「蛍の光」「牛若丸」から「ぞうさん」までの名作童謡についてとりあげています。
唱歌は学校教育という場で、教室という場所と教科書というメディアをつうじて伝えられました。童謡は新しく創刊された児童雑誌のほか、雑誌レコードやラジオなど、当時のニューメディアの発達と大衆化の中で拡まりました。
この本では、唱歌を含む名作童謡がどのようにして拡まったかを軸にしながら、名作童謡ふしぎ物語の旅に出かけます。


名作童謡のふしぎ物語
 書 名 名作童謡ふしぎ物語
 著 者 上田信道 著
 発行年月日 2005年1月20日発売
 出版者 創元社
 ISBN 4-422-70008-1 C0073
 判 型 四六判
 頁 数 230ページ
 本体価格 1,500円(税別)



【目次】
※目次はここをクリックしてください。

【内容紹介】
主として「蛍の光(文部省唱歌)牛若丸(文部省唱歌)我は海の子(文部省唱歌)どんぐりころころ(青木存義・作詞/梁田貞・作曲)早春賦(吉丸一昌・作詞/中田章・作曲)夏は来ぬ(佐佐木信綱・作詞/小山作之助・作曲)青い眼の人形(野口雨情・作詞/本居長世・作曲)ペチカ(北原白秋・作曲/山田耕筰・作曲)証城寺の狸囃子(野口雨情・作詞/中山晋平・作曲)みかんの咲く花(加藤省吾・作詞/海沼実・作曲)夏の思い出(江間章子・作詞/中田中田喜直・作曲)ぞうさん(まどみちお・作詞/団伊玖磨・作曲)12曲を取り上げました。

また、「早春賦」歌碑の写真、「我は海の子」歌碑の写真、古い大連の写真、珍しい蓄音器の広告ちらしの写真など、序論「童謡はどのようにして拡まったか」や附録「名作童謡関連年表」ほかを収録しています。

【コメント】

牛若丸と弁慶のモニュメント
牛若丸と弁慶のモニュメント
(京都・五条大橋)
二〇世紀に大衆化したメディアのうち、すでにレコード盤という記憶媒体は姿を消しました。磁気テープ、CD、MD、DVD、HDなど、記憶媒体の変化はめまぐるしいばかりです。ラジオやテレビも、デジタル放送に切り替わろうとしています。童謡の全盛期には想像もできなかったインターネットというメディアも登場しています。

そういう状況のなかで、音楽の教科書から名作童謡が次つぎに姿を消すという現象がおこりました。

わたくしは、音楽の教科書にポピュラーソングやニューミュージックを載せること自体に反対ではありません。けれども、このところの教科書の変貌ぶりには、そういうジャンルの音楽や唄で目先をかえ、子どもの気をひこうという意図が見え隠れしているような気がしてなりません。つまり、子どもに媚びているのです。

しかし、たいへん喜ばしいことに、2005(平17)年度から使用される各社の教科書に、「あの町この町」「夏は来ぬ」「海」など全部で13曲の名作童謡が復活する、というニュースを耳にすることができました。
また、国語の教科書にも「あの町この町」が詩教材として載るのだそうです。

もし、歌詞の意味や内容がむずかしすぎるような場合には、教科の垣根をとりはらって、国語の時間で言葉の意味や詩としての鑑賞について教えることもできます。

なによりも、日本人が長い年月にわたってつくりあげてきた多くの名作童謡にふれることを通じて、子どもたちには日本語の美しいリズムや言葉の響きに触れてほしいと思うのです。そして、優れた日本文化の伝統を継承してもらいたいものです。

なお、本文中に引用・紹介した歌詞については、できる限り作詞者と作曲者の意志を尊重して、今後の標準となるように心がけました。ただし、漢字は新字体にあらためたうえ、現代かなづかいを使用しています。

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